ハンコを押していない申告書は受け取ってもらえないのか?

税金よもやま話

今では電子申告が主流になりつつありますが、申告書や届出書を書面で提出する場合は、ハンコを押す必要があります。

実は私、確定申告書にハンコを押さないまま税務署に持っていき、ハンコがないからと言って受け付けを拒否されたことがあります(税理士になる前の話です)。また出直すのも面倒なので、窓口の職員さんに「ハンコを押さないとダメと法律に書いてあるのか?」とゴネてみたところ、「国税通則法124条に押印が必要という規定がある」と即座に答えが返ってきました。おそらく同じようにゴネる人が多いんでしょうね。

国税通則法 第124条(書類提出者の氏名及び住所の記載等)

2 前項に規定する書類には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に掲げる者が押印しなければならない。
一 当該書類を提出する者が法人である場合 当該法人の代表者
二 納税管理人又は代理人によつて当該書類を提出する場合 当該納税管理人又は代理人
三 不服申立人が総代を通じて当該書類を提出する場合 当該総代
四 前三号に掲げる場合以外の場合 当該書類を提出する者

法律にこう書いてある以上、ハンコをついていない申告書は法律で定める要件を満たしていないので、税務署員として受け取ることはできません。公務員として全面的に正しい判断です。ゴネた私が間違っておりました!

ハンコの種類は何でもいい。認印でOK

では申告書に押すハンコの種類ですけど、これは実印と定められているわけではないので、認印・三文判でも大丈夫です。とにかくハンコが押してあるという形式が重要です。前年の申告書とは違うハンコを今年の申告書に押しても大丈夫。ハンコが違うからといって受け取りを拒否されるとか、後で送り返してくるとか、そんなことはありません。

ですから、ハンコを忘れて税務署の窓口で受け取りを拒否されたときは、近くのハンコ屋さんや100円ショップで三文判を買ってきて押すということになります。

申告書にシャチハタはダメなのか?

どんなハンコでも大丈夫とは言いつつ、シャチハタのようなスタンプ印はダメだという話があります。印面がゴムでできていて、押し方や経年劣化で印影が変わってくるためです(と一般的には解説されます)。

しかし、法律上(国税通則法124条)には「押印」と書いてあるだけで、シャチハタを認めないという法令上の定めはありません。実際に東京国税局の電話相談センターで確認しました。「税務署ではシャチハタはやめてくださいと案内をしているけれど、そういう規定があるわけではありません」とのこと。

ということは、シャチハタを押した申告書でも認められる可能性はあります。たぶん窓口では「社会通念上、シャチハタは押印として認められない」「いや、一般的にシャチハタも認印として通用している」みたいな押し問答になると思います。時間と気力のムダなのでオススメはできませんが……

さらに一歩踏み込めば、別の名前の印鑑でも大丈夫かもしれません。たとえば、山田さんの申告書に「田中」と彫られた印鑑を押すとか。だって、実印の場合、なんて彫られているのか分からない印鑑、いっぱいありますよね。

ここのハンコならどうでしょう? 試した方がいらっしゃいましたら、ご報告をお待ちしております。

邪悪なハンコ屋 しにものぐるい オリジナルハンコ、認め印通販
オフィスや日常に遊び心と個性を加えたら?というわけで、邪悪なハンコを作ってみました。イラストや模様の入った印鑑は実印にはできませんが認印には(ほぼ)問題ありません。乾いた都会の喧騒に、湿った日常にイエスイエス!ディスイズ認印!

ちなみに印鑑登録にはシャチハタは使えません。こちらは法令上の定めがあり、各自治体の印鑑条例において、登録できない印鑑のひとつとしてシャチハタがあげられています。

外国人ならハンコを押さなくてもOK

日本以外の外国ではハンコを使わない地域がほとんど。そういう外国人にまで押印を強制することは適当ではないとして、外国人はハンコに代えてサインでOKという法律があります。明治32年にできた「外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律」です。1条だけの短い法律です(元々は2条もあったけれど後に削除された)。

外国人ノ署名捺印及無資力証明ニ関スル法律

第一条 法令ノ規定ニ依リ署名、捺印スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名スルヲ以テ足ル
2 捺印ノミヲ為スヘキ場合ニ於テハ外国人ハ署名ヲ以テ捺印ニ代フルコトヲ得

このように外国人であれば、申告書の押印に代えて、署名だけですませることができます。とはいっても、日本に住んでいる外国人はハンコ作っている人が多いですけどね。

電子申告ならハンコは不要

申告書を紙で出すからハンコがどうこうというややこしい話になるのであって、電子申告であればハンコは不要です。かつては住基カードやマイナンバーカードを取得した上でパソコンにカードリーダーをつなぐといった面倒な作業が必要でしたが、平成30年(2018年)分の確定申告よりID・パスワードを取得して電子申告ができるようになりました。

以上、ハンコをめぐる問題についていろいろ見てきましたが、日本ではハンコを求められる場面がいっぱいあります。法律を盾にして「ハンコなしでも大丈夫」とケンカするのも大変なので、フリーランスであればいつもハンコ(三文判)を持ち歩くことを強くオススメします。本業でがんばりましょう♪

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