フリーランスが税金や社会保険料を安くするには? ―年末の今からでもできる節税対策

今年の売上を集計してみたら、思ったよりも金額が大きくて、来年はたくさんの税金や社会保険料を支払うことになりそうだ。そう気付いたのが年が変わる前であれば、まだ対処の方法はあります。年末の今からでもできる節税の方法を紹介します。

税金・社会保険料を安くする2つの方法

所得税や住民税は収入(=売上)の全体にかかるわけではありません。フリーランスの場合、課税所得(=売上-経費-所得控除)に税率を掛け算して税額が決まります。課税所得の金額が小さくなれば、所得税や住民税の税額が減ります。

つまり、課税所得を減らすには2つの方法があります。

  1. 「経費」の金額を増やす
  2. 「所得控除」の金額を増やす

国民健康保険料も所得の額に応じて決まります。しかし、所得税・住民税とは違って、所得控除は引かれません。所得控除を引く前の金額で計算されます。つまり、所得控除をいくら増やしても国民健康保険料の金額は変わりません。ですから、優先して考えるべきことは、経費の金額を増やすことです。

節税策を実行する上での注意点

「経費」「所得控除」を増やすという方法は、基本的にお金を使うものです。手元に裕資金がなければ、以下で紹介する方法を実行することはできません。

税金・社会保険料の負担を減らしたいからといって、無駄づかいをするのはおすすめできません。それぞれの方法の意味をしっかり理解した上で、メリットを感じられるときにのみ実行してください。

もし今年より来年の方がたくさんの利益が出そうなら、今年の経費を増やすよりも、来年にまわした方が通しての負担は少なくなるかもしれません。所得税は所得金額が大きくなるほど税率が高くなるため(累進課税)、所得金額が多い年の経費を減らした方が税金の減少幅が大きくなるためです。

経費の金額を増やす方法

必要なものは年内に購入

年末の今からできる対策としては、必要な買い物は年内に済ませておくことです。今年の経費にできるのは、今年中に購入したものだけです。支払い自体は来年になっても大丈夫。たとえば、カードで買い物をして、引き落としが来年になるような場合ですね。

ただし、10万円以上(青色申告では30万円以上)のモノは減価償却が必要になるので、年末ギリギリに購入しても、ごくわずかな金額しか今年の経費とすることができません。他にも注意点があるので、詳しくは以下のページを見てください。

税金は年内に払っておく

消費税や事業税、固定資産税(償却資産税)、自動車税あたりの税金は、事業所得の経費になります。経費になる税金の中で未払のものがあれば、年内に支払いを済ませておきましょう。固定資産税(償却資産税)は、納期が分割して定められていて、最後の第4期は年明けの2月です。これも年内に払ってしまえば今年の経費にできます。

消費税については、原則として申告書を出した年の経費になります。つまり、2020年の売上等に対応する消費税は2021年の経費になります。しかし、申告書の作り方によっては、2020年の経費にすることも可能です。2021年に支払うべき消費税を2020年分の「租税公課/未払金」として計上しておきます(貸方の科目は「未払金」や「未払消費税」にする)。この説明だけで分からない方は税理士に相談してください。

同じ税金であっても、所得税や住民税は経費になりません。また、加算税や延滞税(申告や納税が遅れたときなどに支払う)も経費になりません。

所得控除を増やす方法

社会保険料もすべて払ってしまう

社会保険料についても年内に支払った金額が所得控除となるため、国民健康保険や国民年金は払えるは先に払ってしまいます。納期限が来年であっても、支払額が確定しているものについては前もって払いましょう。納付書がなければ区役所や年金事務所などにどうすればいいかを問い合わせてください。

また、過去の保険料が未払いとなっていたら、さかのぼって支払うこともできます。国民年金の場合、過去2年分まで支払えます(それ以前の保険料は時効で支払えない)。もし免除や納付猶予、学生納付特例を受けていたときは、10年までさかのぼれるので、所得が多い年にまとめて払うと所得税の負担を軽減できます。

小規模企業共済の掛金を前納する

小規模企業共済とは、自営業者などが自分のために退職金を積み立てる制度であり、掛金の全額が所得控除の対象になります。掛金の上限は月7万円なので、1年分の掛金をまとめて先払いすれば84万円(7万円×12カ月分)も所得控除の金額が増えます。

すでに小規模企業共済に加入済みの方でも、掛金を増額して、増額分をまとめて前納することが可能です。

注意したいのは、2020年の所得控除にできるのは、2020年のうちに支払が完了した分に限られます。年内に加入しても、掛金の引落しが来年になると、来年の所得控除になります。詳しくは以下のページをご覧下さい。

ふるさと納税

皆さんもご存じの「ふるさと納税」も、年内に払い込みが完了した分が対象になります(所得税は所得控除、住民税は税額控除)。

さて、問題になるのが自己負担2000円におさめるための寄附金の上限額です。ふるさと納税のサイトでよく見かけるのは、給与所得者(サラリーマン)向けの一覧表であり、フリーランスがそのまま使うことはできません。

上限額を決めるのは、住民税の所得割額なのですが、まだ今年の所得額が確定していない段階でこれを正確に計算するのはきわめて難しいです。しかし、だいたいの目安を知ることはできます。所得が去年と同じくらいという前提はありますが、6月に送られてきた住民税の税額決定通知書の中にある所得割額をもとに計算します。

詳しい計算方法については以下のページを参考にしてください。

所得が年金の方、自営業者の方のふるさと納税控除上限額について | ふるさと納税サイト「さとふる」
ふるさと納税は一般的な給与所得者のみが利用できる制度だと思っている方も少なくありません。しかし実際には、自営業の方や、公的年金のみを受給し生活している方でも問題なく利用できます。こちらでは、個人事業主の方・年金受給者の方のふるさと納税控除上限額や、それぞれのケースでの申請方法についてご紹介します。

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